福島 原子力発電所事故による汚染まとめ

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孤立死どう防ぐ 兆候は 対策は
 
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孤立死どう防ぐ 兆候は 対策は 



孤立死どう防ぐ 兆候は 対策は

小田島拓也記者

東京・立川市をはじめ、全国各地で親子などが人知れず亡くなっていく「孤立死」が相次いでいます。
現場を取材すると、悲劇に至るまでに異変を示す兆候があったことが分かりました。
孤立死はどうしたら防げるのか。
取材班の1人首都圏放送センターの小田島拓也記者が解説します。
相次いだ孤立死

7日遅く、東京・立川市の都営アパートで90代と60代の親子が死亡しているのが見つかったという連絡が入りました。
事件に巻き込まれたという痕跡はないらしい、「また、孤立死か」そう思いながら現場に着いた取材班から、「驚いたことがある」と報告が入りました。
実は1か月近く前に、このアパートから200メートルほど離れたマンションに同じようなケースで取材に来ていたというのです。

ニュース画像

それは先月13日でした。
マンションの1室で45歳の母親と4歳の息子が遺体で見つかったのです。
取材を進めると、親子は1年半余り前、大阪市から移り住んできて、母親は仕事を探す傍ら障害のある息子を育てていたものの、近所付き合いはほとんどなかったことが分かりました。
さらに警視庁によると、遺体で発見される1か月ほど前までに、母親がくも膜下出血で急死し、残された障害がある男の子が、その後衰弱死したとみられることも明らかになりました。
男の子は、4歳の平均体重の半分の9キロほどしかなかったということです。
見逃された異変

しかし、立川市が8日に公表したこれまでの経緯に加え、取材班が独自に確認した事実をまとめると、市の関係者などがもっと早く親子の異変に気付く機会があったことが分かりました。
親子は、東京・武蔵村山市にある病院に月2回通っていました。
息子のリハビリのためでした。
ところが、去年12月16日には、無断でこのリハビリを休んでいました。
不審に思った病院の担当者は母親の携帯電話に連絡しましたが、つながりませんでした。
この母親は、市の福祉サービスの一環として紙おむつを家に配達してもらっていました。
今年1月3日には、宅配業者が紙おむつを届けに来ましたが、インターホンに応答はありませんでした。


連絡を受けた市の担当者も1週間後(1月10日)にマンションを訪問しました。
ポストには郵便物がたまっていたものの応答がなかったため、その場を立ち去りました。
市の担当者は、2週間後(1月24日)にもマンションを訪れていました。
しかし、2人が発見されたのは先月13日、ガス会社から長期間使用がないと連絡を受けた親族が心配して部屋に入った時のことでした。
最近ではさいたま市や札幌市でも同じように家族が死亡しているケースが報告されています。
「見つける つなげる 見守る」

孤立している人や家族を見つけ見守っていく手だてはあるのか。
私が取材に向かったのは北九州市でした。
北九州市は平成20年に「いのちをつなぐネットワーク推進課」という孤立死を防ぐための部署を設置しています。
実は、北九州市では平成17年から19年に3件の孤立死が明らかになりました。
中には、男性が「おにぎりを食べたい」というメモを残して亡くなった痛ましいケースもありました。
この教訓から北九州市は、困っている人を「見つける つなげる 見守る」というキャッチフレーズを掲げ対策に乗り出したのです。



▼「見つける」
まず、「見つける」です。
市は7つある区役所に専門の係長を配置しました。
係長は、生活保護や育児相談など市の窓口に断片的に寄せられる様々な情報をつなぎ合わせ、地域で孤立している人がいないか見つける役割を担っているのです。
さらに市では、地域にも「見つける」ための協力を呼びかけました。
民生委員やボランティアなどです。
ところが地域社会のつながりが弱まっていくなかで、プライバシーにも関わるそれぞれの世帯の情報は把握しにくいという実情も分かってきました。
そこで市は、料金収集などで個別の世帯を訪れる機会の多い水道や電気、ガスなどの事業者に協力を呼びかけました。
去年12月には水道料金を滞納している世帯を担当する職員が、訪問先で異変をキャッチして孤立していた世帯を見つけることができました。
滞納していた世帯を訪れ、そこに住んでいた高齢の女性と話をしていくと、ほとんど現金を持っておらず、その日の夕食も食べられない状況だったことが分かったのです。


▼「つなげる」
この女性は1歳になる赤ちゃんと暮らしていました。
対応の必要性を感じた職員は上司に報告。
さらに市役所の「いのちをつなぐネットワーク推進課」に情報が「つなげられ」、協議の結果、生活保護の受給が決まりました。
市の水道局では、孤立している人を見つけ出すための指導も行っていました。
料金を滞納し、水を停める対象となる世帯の数は1か月でおよそ8000件、膨大な数です。
職員や民生委員がこの世帯すべてを回ることは極めて困難です。
水道局では滞納者との会話やたまった郵便物、急に支払いが止まった、日中に電気が付きっぱなしになっているなど周囲の状況をよく見て、判断するよう指導していたのです。

▼「見守る」
また孤立している世帯を「見つけた」後の「見守り」でも企業が重要な役割を担っています。
北九州市のある新聞配達店では「地域見守隊」と書かれた、ベストを着た配達員が毎日、各家庭に新聞を届けています。
新聞がたまっている場合は、近所の人や大家などに状況を確認するなど、日々の生活に異変が起きていないか見守っています。



北九州市でこうした活動を行っている事業者や団体は26に上ります。
北九州市の取り組みを取材して行政、地域、そして企業が協力すれば孤立死を防ぐ情報はつかむことはできると感じました。
あと一歩の積極性を

ただ、あと一歩の積極性がないと孤立死は防げないとも感じました。
孤立死が相次いだ東京・立川市の清水庄平市長は、行政が家庭の中に踏み込むにはプライバシーの保護などの課題があると指摘したうえで「行政が少しおせっかいだと言われるくらいの気持ちであえて踏み込んで行かざるをえない」と話しています。


地域社会のつながりが薄れつつあるなか、孤立死はどこの自治体でも起きるおそれがあるということを前提にした細やかな目配りと、異変を感じた場合には警察などと協力して踏み込んだ対応を素早く行う決断が求められていると思います。

(3月8日 23:30更新)


http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0308.html


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