福島 原子力発電所事故による汚染まとめ

こんな状態になっても原子力発電を続けますか? 地震、原発事故、TPP等 情報追いかけ 

東電はごまかしている! 「津波前から原発は制御不能だった」の決定的証拠
 
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pt1上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt2上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt3上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt4上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt5上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt6上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
ラスト上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt1 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt2 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt3 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt4 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt5 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt6 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
ラスト 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
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東電はごまかしている! 「津波前から原発は制御不能だった」の決定的証拠 



スペシャル対談 広瀬 隆×田中三彦(サイエンスライター)
東電はごまかしている!
「津波前から原発は制御不能だった」の決定的証拠



http://ht.ly/7jxPe
(週刊朝日 2011年11月04日号掲載) 2011年10月27日(木)配信

元原発設計者のサイエンスライター田中三彦さんは、
「福島第一原発の事故は津波で起こった。地震で原発は壊れていない」とする
東京電力の公式見解に、真っ向から異議を唱えている。
もし地震で壊れていたのなら、ほかの原発の安全性にも大きな影響を与える。
広瀬隆さんとの対談で、事故の真相に迫った。





広瀬 今回のように長時間、地震の揺れに襲われて起こった原発事故では、配管破断をまず
疑うべきなのに、東京電力は津波による電源喪失が原因と結論づけた。
そんな中で田中さんは事故直後から、津波の前に地震で配管が壊れた可能性を指摘して
いました。

田中 東電のデータを解析すると、配管破断の可能性が排除できない。
最初に水素爆発を起こした1号機の圧力容器は、水位が急激に低下し、圧力も落ちた
(運転時は70気圧が約8気圧に)。
また、圧力容器の外側にある格納容器の圧力は設計上の限界値の2倍近くまで上がった。
いずれも地震で圧力容器につながる配管のどこかが破損して、そのために起こった現象と
考えられる。
いや、配管だけでなく、いわゆるマークI型格納容器のドーナツの形をした「圧力抑制室」も
やられていると見ています。

広瀬 福島第一原発4号機の圧力容器を設計した田中さんは、内部を知り尽くしているわけで
すからね。

田中 圧力容器につながっている「再循環系配管」は何十トンという重いポンプを抱え込んで
いるため、激しい地震に持ちこたえられるかどうか、裁判などでいつも問題になっています。
原発メーカーの技術者ならだれでも、たとえばそういう部分の配管破断を疑うはずですが、
政府が6月にIAEA(国際原子力機関)に出した報告書ではそういう議論は一切されていな
い。そこがおかしいと思う。


広瀬 そう。報告書で地震の影響は、外部電源喪失、つまり送電線の鉄塔が地震で倒れて
外部から電気がこなくなったことだけに限定している。
あとはもう、津波、津波、津波と、津波で内部電源が失われたことだけを挙げて、
対策も外部電源の確保と津波のみに言及している。
これは地震で原発が壊れたことを隠す、デタラメな報告書ですよ。


田中 今回の事故原因は当面、白黒決着がつけられません。
なぜかというと、格納容器内部の配管を直接調べることができないからです。
放射能レベルが高いので内部に入れるようになるまでに、十数年はかかるでしょう。
ロボットを入れても、巨大な格納容器内には配管が何本も通っていて、しかも保温材や金属
カバーで覆われているので、直接配管は見えない。
事故を分析するときは、起こりうることを、すべて考える必要があります。
当然、地震の影響を算定して、正しく評価しなければいけない。

広瀬 だからこそ、田中さんの検証には意味がある。

田中 とくに1号機は地震で配管が破壊されたと考える方が合理的です。
1号機は、非常用復水器(IC)と接続している再循環系配管が破断した可能性がある。
ICは電源が失われたとき、原子炉(圧力容器)で発生する蒸気を冷やして水に変えて原子炉
の圧力を下げ、つぎにその水を再循環系配管経由で炉心に戻して、原子炉を冷却する装置で
す。

広瀬 1号機では地震直後にICが自動起動した。

田中 ええ、地震発生直後に制御棒が入って原子炉が自動停止。
その6分後にICが動き始めています。3月11日午後2時52分です。
ところが午後3時3分、わずか11分動かしただけで運転員がICを手動で止めてしまった。
最悪の事態に最も頼りになるシステムを止めるとは、命綱を自ら切るようなもの。

広瀬 止めた理由は?

田中 東電は「原子炉の温度低下が1時間当たり55度を超えない」という手順書に従った、
と説明している。マニュアル通りだった、と。
しかし、それは通常運転時の手順で、急激な温度変化で圧力容器に負担を与えないようにし
たもの。
こんな非常事態、原子炉の温度を下げることが最も優先される場面で、あまりにも不自然で
す。
実際、ICを止めた1分後には、別の緊急冷却システムである「格納容器スプレー系」を起動
し、1秒間に200リットルの水を格納容器内に噴霧している。

広瀬 嘘の説明をしているとしか思えない。

田中 ICを止めたのは別の理由でしょう。
圧力容器内の圧力があまりにも急激に下がったので、IC系配管のどこかが破断したと運転員
が判断して、手動で止めたのでは、と考えています。
その裏付けとして、東電に手順書の公開を求めていたんですが、出てきたのが例のほとんど
黒塗りの手順書です。


広瀬 衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会が、東電から提出を受けたと公表した、
問題の報告書ですね。
あれは、腹が立ってしょうがなかった。
放射能汚染を起こした東電がバカなことを言うな、国民を愚弄するにもほどがある。

田中 枝野幸男経済産業大臣もさすがに問題視して、公開される見込みです。

広瀬 10月21日になって東電はICを目視して、配管などに損傷はなかったと発表しました。
これは明らかに「田中説」を牽制するものですね。

田中 あることを隠すために特定のデータを出さない、打ち消す発表をするといったことが、
間違いなくある。

広瀬 7月27日に国会の非公開のヒアリングが行われて、田中さんも出席していましたね。
議事録を手に入れたのですが、地震で破壊された可能性を指摘する田中さんの質問に、
東電も原子力安全・保安院も、まったく答えられない。
やり取りの中で、肝心なところはぜんぶ隠して、僕から見れば明らかに嘘と分かることも言っ
ている。
彼らが嘘をつかなければならない理由は、はっきりしている。
田中さんの説を認めると、すべての原発が危ないことの実証になるから。
それが明らかになれば、阪神大震災を受けて06年に改められた耐震設計審査指針を、
根本から見直さなければならない。事実上、原発は再稼働できなくなる。

田中 07年の新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発が大きな被害を受けた時点で、
新しい指針では十分ではないことは明らかだった。

広瀬 3月11日の地震で福島第一原発の揺れは、500ガル(ガルは加速度の単位)前後。
ところがここ数年、2千ガルを超える地震が相次いでいる。
03年宮城県北部地震、04年新潟県中越地震、07年新潟県中越沖地震はいずれも2千ガル
を超えた。
08年の岩手・宮城内陸地震では4千ガルを超えて、山が一つなくなってしまった。
田中 あの地震は4千ガルもあったんですか。


広瀬 重力加速度の980ガルを超える上下動を長時間受けると、モノは浮いてしまう。
それが軒並み2千ガルですから、そんな地震の直撃を受けたら原発は耐えられるはずがな
い。

田中 僕が原発の設計にかかわっていた1970年代のはじめは、今から考えると地震対策は
いい加減なものでした。
記録が残っている二つの海外の地震を参考にして、たしか250ガルぐらいで耐震設計をして
いた。
それが1978年に耐震設計審査指針ができて、見直していくわけです。


広瀬 指針の見直しのたびに耐震補強をして原発を動かしてきた。
「ハリボテ人形を鉄枠で囲ったから壊れない」と言っているのと同じことです。
阪神大震災以降、日本は明らかに地震の活動期に入り、2~3年おきに2千ガルを超える
地震が起きている。

田中 原発は非常に精密に設計をしているような誤解を与えているけれど、複雑な形の構造
物なので、地震の揺れから配管の強度まで、それぞれの専門家が様々な仮定を重ねて、
このくらいならという線で造るから、いろんな誤差が入り込む可能性がある。
僕が福島原発事故の原因として考えているのは、地震の揺れの回数の多さです。

広瀬 回数ですか?

田中 針金を何度も折り曲げると、そのうち切れてしまいますね。
地震の揺れが10秒とか20秒、回数にして数十回ほどの繰り返しだったら、配管破断は起こ
らなかったかもしれない。
だけど今回は3分近く大きく揺れて、激しい余震も続いた。
こういう揺れは設計時に考えていない。
特に1960年代半ばに建築された1号機。
当時の品質管理レベルは低くて溶接技術も良くない。
そういう悪条件が重なって、配管などが壊れた可能性がある。

広瀬 だから、国としては地震で配管がこんなに簡単にやられてしまうことがはっきりしたら、
今までの耐震設計審査指針は何なのか、という問題に戻ってくる。
ところが地震で壊れたことを隠し続ける国は、ストレステストなるものを行って、原発の再稼働
にお墨付きを与えようとしている。

田中 ストレステストに実効性があるはずがない。
日本にある54基の原発は合法的に「安全」ということで建てられているのに、ストレステストは
「これで大丈夫か?」というチェックをするという。
それは「法律に穴があるから、欠陥を探せ」というのと同じ。
しかも、これをみんなメーカーに頼む。問題あり、という結果が出るわけがない。
ストレステストは地震破壊に目隠しをして、「安全だから大丈夫」という結論を与えるセレニー
になる。

広瀬 バカげている。

田中 ストレステストなどと言う前に、
福島第一原発の事故原因を、地震による配管破断も含めて検証するべきです。
その一助となるべく、10月26日に衆議院第2議員会館で、東芝で格納容器を設計していた
渡辺敦雄さん、後藤政志さんとともに、
議員に対する勉強会を開きます。
圧力抑制室の水が地震時にどう揺れるか、詳細なシミュレーションを公開します。
記者も参加できるので、地震によって破壊された可能性があることを、報道で多くの人に伝え
てもらいたい。

広瀬 10月26日に田中さんたちが、福島第一原発が地震でぶっ壊れた可能性を指摘して、
電力会社が論理的に否定できなかったら、すべての原発は絶対運転するべきではない。
これは天下分け目の決戦です。
全国民は国会に設置する事故調査委員会のメンバーに、田中さんに入ってもらいたいと思っ
ています。 

(構成 本誌・堀井正明)


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