福島 原子力発電所事故による汚染まとめ

こんな状態になっても原子力発電を続けますか? 地震、原発事故、TPP等 情報追いかけ 

「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」京大原子炉実験所・小出助教に聞く 全文
 
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原発 どう子供達に教えてきたのか?
終わらない悪夢1-7放射性廃棄物はどこへ
終わらない悪夢2-7放射性廃棄物はどこへ
終わらない悪夢3-7放射性廃棄物はどこへ
終わらない悪夢4-7放射性廃棄物はどこへ
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08.後編4/4・土崩瓦解 核廃棄物:原発の悪夢
06.後編2/4・土崩瓦解 核廃棄物:原発の悪夢
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原子力発電所定期点検
福島第一原子力発電所事故から何を学ぶか最終報告:まとめ
福島第一原子力発電所事故から何を学ぶか‬(詳細解説)
原発安全神話の崩壊
20111216 [1/2]たね蒔き「海からみた原発の危険(1)いま何が起きているのか」
20111216 [2/2]たね蒔き「海からみた原発の危険(1)いま何が起きているのか」
Inside report of Fukushima Plant Worker - Press Conference(English translator)
pt1上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt2上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt3上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt4上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt5上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt6上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
ラスト上杉隆氏 福島原発の「工程表」を徹底検証
pt1 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt2 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt3 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt4 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt5 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
pt6 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
ラスト 【上杉隆氏】原発設計者 上原春男氏共同インタビュー
小出裕章:総括原価方式 / 核兵器開発能力保有
総括原価方式 必要以上の見積もり
被曝する労働者達:下請け・日雇いが支える原発の実態
動画で見る炉心溶融

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排出放射性物質影響調査 用語解説
原子力関係用語集[PDF]




 

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「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」京大原子炉実験所・小出助教に聞く 全文 



「汚染がれきは東電にお返しするのがいい」
京大原子炉実験所・小出助教に聞く 全文

http://live.nicovideo.jp/watch/lv68086270?ref=top




京都大学原子炉実験所・小出裕章助教(以下、小出): こんにちは。
アシスタント: よろしくお願いします。
亀松太郎ニコニコニュース編集長(以下、亀松): よろしくお願いします。
小出: よろしくお願いします。座っていいですか。
アシスタント: はい、どうぞ。

亀松: どうぞ。
亀松: 今日のインタビューよろしくお願いいたします。
小出: はい、よろしくお願いします。
アシスタント: よろしくお願いします。

亀松: この部屋は長野県上田市にある信学会という予備校の一室で、
実は先ほど高校生向けに原子力の話をされていたわけですけれども、その感想と
いうか若い人からも質問あったと思いますけれどもいかがだったでしょうか。


小出: いいですね。若い人って・・・。
亀松: ああ、そうですか。

小出: これから彼らが生きていく、そしてこの日本という国を作っていってもらわなければ
いけない。
私としてはこんな放射能で汚れた国を彼らに残すということを大変申しわけないし、
気も重いけれども、もうどうしようもない。それしかないわけだし、やはり若い人たち
がしっかりと自分の頭で考えてくれるということだけが希望ですので、一人一人の
若い人がちゃんと考えようとしてくれるということを見ると、やはりちょっと希望という
か嬉しく思います。

亀松: なるほど、わかりました。今日はニコ生ユーザーの質問をどんどんぶつけ
てお答えいただくということなんですけれども、大きく3つに分けて30分くらいお話を
うかがいたいと思います。
1つ目は、現在の福島原発(福島第1原子力発電所)の状況についての質問がいく
つかありますので、それについてお答えいただきたい。

それから、いろんなところに放射性物質が拡散してしまって生活へいろいろな影響
が及んでいるわけですが、それに関していろんな不安があって情報を知りたいと
いう質問もあります。
もう1つはそれ以外の小出先生自身のことも含めて質問が来ています。
ということで、大きく3つの構成でうかがいたいと思います。

小出: はい。

亀松: では、まずさっそくですけれども福島(第1)原発に関してです。
これは長野県の44歳の男性から来ている質問です。
「先日、福島原発の2号機で放射性キセノンが検出されましたが、東京電力は
『臨界は起きていない』と言っています。これについての小出先生のご見解をお願い
いたします」。

小出: はい。私は初めに東京電力が「キセノンを検出した」と発表したその発表自
身が、ひょっとすると間違いかもしれないと疑ったのです。

それは、これまでにも東京電力は「クロル38という放射性物質を検出した」、あるい
は「ヨウ素134という放射性物質を検出した」という発表をしたことがありました。

もしそういう放射性物質が検出されたということであれば、臨界を疑う以外にないと
私は発言をしたのですが、私自身は、実は原子炉の中で再臨界が起きる可能性は
限りなく低いと思ってきた人間で、たぶんないはずだと思っていたのですが、
クロル38あるいはヨウ素134を検出したというなら、もう再臨界を疑う以外ないという
発言をしました。


ところが発言をしてしばらくすると、東京電力が「自分の測定が間違いでした」という
ことで撤回してしまうということできたのですね。

今回もキセノン133、135を見つけたと言ったわけですが、また彼らが間違えている
発表をしたかなという風に思いました。
ただし、すでに事故から7ヶ月以上経っていて、彼らとしてもそれなりの間違った
発表をしてきたという経験もしているわけですから、今度のことに関しては間違わな
いようにデータを見直してから発表したんだろうなと思いました。


亀松: なるほど、はい。
小出: そうであるとすると、可能性は2つだと思いました。
亀松: そのキセノンが出たというのが・・・。

小出: はい、キセノンが本当に検出したというのであれば、それを説明する可能性
は2つ。
1つが自発核分裂という現象でキセノンができてきている。
もう1つは前から言われているような再臨界というのが起きている。
その2つしか可能性はないと思います。


亀松: なるほど。

小出: ただし、私自身は今聞いていただいたように再臨界の可能性というのは、
たぶんないと思ってきた人間ですので、
「自発核分裂で出てくるキセノンで、今回東京電力が検出したという量が説明できる
かどうか」、それだけがネックだという風にマスコミの取材にも答えていました。
その後で、東京電力の発表で今回彼らが検出したキセノンは
「自発核分裂で出てきたものとして説明できる」ということを彼らが言いましたので、
私はたぶんそれでいいだろうと思います。


亀松: ああ、そうですか。
小出: 現在の状況はたぶんそうだろうと思います。

亀松: はい。整理すると、東京電力も会見で「自発核分裂であって再臨界ではない
可能性が高い」ということを言っていますが、小出先生もそれに同意されているとい
うことですね。

小出: はい。再臨界の可能性が絶対ないとは私は思わないし、ひょっとすると今も
再臨界がないとは言えないのですが、自発核分裂自身がもう人間がコントロールで
きるということではなくて必ず起きているわけだし、そこからキセノンが出るということ
は当たり前のことなのであって、それで説明できるということであれば、今は再臨界
を疑う必要はないと私は思います。


亀松: はい。今、小出先生はもともと再臨界の可能性は低いという風に考えていらっ
しゃったということを仰りましたが、それはなぜですか。

小出: 世界にはいろいろな原子炉がある。そして日本で使っている原子炉、福島第1
原子力発電所もそうですけれども、いわゆる米国製なんです。
私たちが「軽水炉」という言葉で呼ぶ原子炉なんですが、その原子炉では、原子炉を
設計する時に、燃料をこうやって配置をしようよと言って順番に設計していくわけですけ
れども、原子炉の形がまともに保たれている時に一番核分裂の連鎖反応が維持し易い
という、そういう形に設計するのです。


ですから形が少しでも崩れてしまう、燃料棒が壊れて崩れ落ちる、あるいは溶けてしま
うというようなことになると、核分裂の連鎖反応はどんどん起きにくくなるという原子炉な
んです。今回の場合には、燃料棒がボロボロに壊れてしまって、溶けてしまったと言っ
ているわけですから、核分裂の連鎖反応が起きるという条件からはどんどん離れていく
方向に行っている。


だから、再度また核分裂の連鎖反応が起きるという可能性はどんどん少なくなっていっ
ているはずだし、極々特殊な条件が生み出されない限りはないと私は思っています。


亀松: なるほど。そうすると、いわゆる自発的、単発的な核分裂というものは散発的に
起きていたとしても、いわゆる核分裂が連鎖的に起きていく「臨界」という状態に達して
いるという風には考えにくいということなんですね。


小出: たぶん今は起きていないのだろうと私は思います。
もちろん可能性を全部否定しているわけではありません。
もちろん注意はしなければいけないけれども、今回東京電力がキセノンを検出した
ということに関する限りは、「自発核分裂」だということで言っていいだろうと思いま
す。

亀松: なるほど、わかりました。
亀松: 次の質問にいきたいと思いますが、「現在、福島(第1)原発のメルトダウン、
炉心溶融はどのくらいの深さまで到達しているのでしょうか」という質問です。

小出: わからないのです。東京電力も国も、すでに炉心がメルトダウンしたということ
は認めているのですね。
それで炉心がメルトダウンをしてしまうと、原子炉圧力容器という鋼鉄製の圧力釜の底
に落ちてしまいます。
圧力容器そのものは厚さ16cmあるという巨大な圧力釜なのです。

ただし、そこに2800度を超えたウランの溶けた塊が落ちていく。
それが100トンもあるということです。
ですから、いくら16cmも厚みがあったとしても鋼鉄というのは1500度を超えたら溶けて
しまいますので、いずれは溶けるというのは当たり前なのです。
福島第1原子力発電所の原子炉というのは、先ほど「軽水炉」と私は呼びましたが、
軽水炉の中でも沸騰水型という原子炉なんですね。
その沸騰水型という原子炉はその圧力釜の底に何百もの穴が開いていて、
そこに制御棒駆動機構というパイプが突き刺さっているのです。
そのパイプはごくごく薄いパイプなのです。


そこへ溶けたウランが落ちてくるわけですから、圧力容器本体が溶けるか、溶けないか
に関わらず、そのパイプは簡単に穴が開いてしまうという、そういうものなんですね。

穴が開いてしまえば、溶けた炉心がさらにその下に落ちてしまうということは当たり前の
ことなわけで、圧力容器はもうすで底が抜けてしまっていて水も溜めることができない。
溶けたものは圧力容器の底を貫いて、さらに下に落ちているという状態なんですね。

では一体どこに落ちているかというと、「格納容器」と私たちが呼んでいる、さらに大き
な・・・。

亀松: はい、その周りにあるものが・・・。
小出: 容器の底に落ちている。
格納容器は厚さ3cmの鋼鉄製ですけれども、ただその底、溶けたウランが落ちる場所
はコンクリートの分厚い床があるのです。
コンクリートの床の上に溶けた固まりが落ちる。
そうすると、コンクリートを今度は溶かして破壊しながら下に落ちていくわけですね。
いつかその格納容器の鋼鉄に接した段階で、格納容器というものの底を抜くわけで
す。


格納容器というのは放射能を閉じ込める最後の防壁になっているわけで、その鋼鉄が
破られてしまえば、あとはもうなす手がない。地下にめり込んでいくという、そういう状態
になるはずなんです。でも東京電力自身は、今回の事故が起きてから約10日を経て、
後に発電所の中の電源を回復したんですね。


電源が回復したということは、ポンプが動くということですし、水を流せるということになっ
たわけで、それ以降、何とかその溶けた原子炉を冷やそうと努力を続けているわけで、
その努力がそれなりにもし身を結んでいるんだとすれば、格納容器の底に落ちた溶け
たウランというものに何がしかの水が届いているはずだし、その溶けた塊が一体どこま
でコンクリートを壊し、格納容器の鋼鉄を壊しているかというのは、水を掛けてどこまで
冷やしていられるのかというのとのせめぎ合いで決まっているわけですね。

でもそのせめぎ合いでどこまで行っているかということがわからない。近づいて見ること
もできないわけですし、それを知ることができるような計測器もないということで、今はよ
くわからない。

亀松: なるほど。それはある意味、推測するしかないという世界で・・・。
小出: はい、そうです。
亀松: それは別に東京電力が知っていて発表していないというわけではなくて、
もう東京電力自身が把握できないという状況になっていると。

小出: そうです。今回の事故で、正確な情報を私がなかなか得られないという状況が
ずっと続いたのですが、その理由は2つあって、1つは今回の事故を起こした最大の
責任は東京電力と日本の政府にあると思うのですが、つまり責任というか犯罪を彼らが
おかしたと私は思っているのですけれども、その彼らは情報を握ったまま、
自分の都合の悪い情報をなるべく出さないという作戦に出ているわけです。

ですから、なかなか正確な情報が私あるいは皆さんに届かないということが1つある。
もう1つはもっと深刻であって、彼ら自身が正確な情報を知り得ないという、そういう
状態にあるのです。
ですから、今溶けた原子炉の炉心がどこにあるかということも正確にはわからない。
でも私自身はすでに格納容器の底を抜いている可能性もあるのだから、それに対
処できるように地下にバリアを張らなければいけないと5月の中頃から言っているの
ですけれども、国も東京電力も今のところは動こうとしないという状態が続いています。


亀松: わかりました。まだいろいろ福島(第1)原発のことは聞きたいことがいっぱいあ
るんですけれども、ちょっと時間もあるので。また次の質問に移らせていただきたいと思
います。お願いします。

アシスタント:「2歳と7歳の娘を持つ母です。ガイガーカウンターを購入予定ですが、
どの商品が良いのかわかりません。何かアドバイスを下さい」
というメールをいただきま
した。

小出: はい、どれでもいいです。
会場:(笑いが起こる)。
小出: というのは、「どれでもダメだ」ということでもあります。
皆さんが買えるような放射線測定器というのは多分何万円かはするかもしれない、高い
ものを買えば何10万円かはするかもしれませんが、いずれにしても簡易型の放射線測
定器です。
私が言うと申しわけないけれども、放射線を測定するということはそれなりに大変なこと
であって、それなりに専門知識がなければいけないし、その専門知識で初めて使えるよ
うな特殊な測定器がなければ、ちゃんとした測定ができないというものです。


ですから、皆さんが買えるような簡易型の測定器を、例えば今10個ここに並べるという
ようなことをすると、10個が10個全部違う値を示します。そしてその10個をまた別の場
所に持っていくと、その場所でまたてんでばらばらな数値を示すというものなのです。

ですから(放射線測定器を)買って、例えば1時間当たりここで1マイクロシーベルトとい
う数字が出ちゃって「大変だ」というように皆さんは使いたがるわけですけれども、そうい
う使い方はしてほしくないと私は思います。


ただし使い方によっては役に立つと私は思っています。どうやって使うかというと、1つ
買ってその測定器を、例えばこのテーブルの上で測ってみる。
そして同じようなテーブルがある場所で、こういう大きさの部屋で、このテーブルの上、
そして同じ位の部屋で、同じようなテーブルの上と・・・条件をそろえて測るのであれば、
どっちが高い、どっちが低いという情報は得られると思います。ですから道路なら道路
に行って、この道路の上で1mのところで測って、別の道路で1mのところで測るというよう
に条件を同じにして測れば、高い、低いはわかる。それは役に立つと思いますし、
それぞれの家庭で、例えば庭の真ん中、庭の端っこ、あるいは雨どいの下というような
場所を変えながら測っていけば、どこが汚染が強いという目安にはなると思います。

亀松: なるほど、わかりました。



汚染がれき焼却灰を埋めるのは「まったく正しくないやり方」

亀松: 今のはちょっと原発の話だけれど、放射性物質の影響についてどうやって
対処したらいいのかという質問だったんですけれども、もう1つそれに関する質問が来
ています。

アシスタント: アメリカから女性の方です。「チェルノブイリではオオカミ、その他の動物
が元気に生きているという番組を見た」ということなんですが、
「環境に適応しているということですが、だとしたら人間も今までより放射性物質の多い
環境に適応していくということも考えられるのでしょうか」という質問です。


小出: ないです。チェルノブイリでももちろん動物はいっぱい生きています。
でも多分その動物の中では、ガンで死んでいる動物もたくさんいると思います。
ただ動物から見ると、最大の害悪は人間なんですよ。ですから、人間がいなくなった
場所は動物にとってのサンクチュアリになっている。


だからチェルノブイリの周辺は動物のサンクチュアリですよね。
でもサンクチュアリになったから動物は幸せに放射能に耐えられるように生きているか
と言えば、もちろんそうではなくて、人間からはやられないで彼らは幸せだけれども、
放射能で被曝をすることで、動物だって多分病気になって死んでいっているんですよ。

ですから、仮に人間がチェルノブイリの周辺あるいは福島の原発の周辺で生きるという
ことにすれば、人間もまたその放射能で被曝をして、害悪は受けるということになるわけ
だし、人間の場合には一番害悪を振りまく人間がそこにいて上から押さえ付けられるこ
とがないわけで、病気だけが増えていくということになると思います。


亀松: なるほど、わかりました。ではもう1つ、放射性物質に対する対応ということで、
ある意味、周りにある放射性物質、放射能がなくなれば、僕らは安心できるわけですけ
れども。

千葉県の男性から来ている質問です。
「放射性物質を中和したり、消滅させたりするための研究はなされているのでしょうか。
莫大な予算を何百年とかければ、時間をかければ、そのような技術が開発される可能
性というものはあるのでしょうか」
という質問です。


小出: 人間が原子炉を作ったのは1942年なんです。
先の戦争中ですけれども、米国という国が原爆を作りたくて、原爆を作るための材料、
プルトニウムというものを作るために原子炉を作ったのが初めてなんですね。
それからすでに70年経っているんですが、その原子炉を作った時から学者はみんな
知っていた。
つまり原子炉を作ってしまえば、核分裂生成物という放射能を作ってしまうと。
それを無毒化できなければ大変なことになるということは知っていた。
だから研究は始まっているんです。
何とか無毒化したいという研究が始まって
70年きたのですが、できないのです。


亀松: 研究はされているけれども、まだできていない。

小出: そうです。
原理的にはできるということはわかっているんです。
例えば、中世という時代があって、いわゆる化学の場では中世というのは錬金術の時
代だったんですね。
亜鉛を金に変えられないかとか、スズが銀にならないかというようなことをもうさんざん
研究しました。
酸で溶かしてみたり、アルカリで溶かしてみたり、沈殿を作ってみたり、合金を作ってみ
たり、もうこんなことまでやるかというように、いろいろなことをやった。
そのいろいろなことをやった結果が現在の化け学、化学、ケミストリーというもののすべ
ての基礎を作ったというほど、その中世の錬金術は立派な仕事をしたんです。

しかし、錬金術は廃退したんですね。亜鉛は亜鉛で金にはならない。
スズはスズで銀にはならない。結局元素の変換はできないということで廃退したんです
けれども、実は錬金術はできたのです。なぜかといえば、ウランという元素を核分裂さ
せてしまえば、もうさまざまな何百種類もの元素が、放射性物質ができる。量が少なく
ていいなら、金だって、白金だってできると。もう錬金術はできたんですよね。
ですから、ある元素、ある原子核を別の原子核に変える、別の元素に変えるということ
は、原理的にはもうできるということがわかったのです。


ただし、それをやろうとすると膨大なエネルギーが必要に・・・。
生み出してしまった放射能を無毒化する。
無害ということではないけど害の少ない放射核種(放射性核種)に変換するという核変
換ということが原理的にはできるということがわかっているけれども、それをやろうとする
と膨大なエネルギーがまず必要になってしまう。


元々、原子力発電というのはエネルギーが欲しいといってやっているわけですけれど
も、原子力発電で出てきたエネルギーをすべて投入しても作ったものが消えないという
んだったら意味がないということになってしまうわけです。



もうひとつの問題は無毒化しようとして作業をすると、逆に新たな放射性物質が生み出
されてしまうという、副次的な反応がどうしても避けられないということがあって、実際上、
できないという壁を越えられないまま今日まで来ているんです。


その壁はとっても高くて厚い壁なので、これから越えられるという風に私は断言できな
いんですね。
でも越えたいと思うし、何とか核変換というような技術を手に入れて、私たちの世代で
作ってしまった毒物を少しでも後世の人々に負担にならないようにしたいと思いますけ
れども・・・なかなか難しそうだと思います。

亀松: はい、わかりました。
今、がれき処理について非常に大きなニュースになっているんですけれども、
それに関して和歌山県の33歳の主婦という方から先ほど質問が来ています。
「国は汚染がれきを全国に拡散して焼却または埋立てしようとしています。
このように拡散させても人体への影響は大丈夫なのでしょうか?
また拡散以外に処理方法は無いのでしょうか」
という質問です。


小出: はい。まず「人体に大丈夫なんでしょうか?」というご質問でしたけれども、
放射能に関する限り「大丈夫」という言葉は決して使ってはいけません。
「大丈夫」とか「安全」という言葉は決して使ってはいけない。
どんなに微量な被曝でも危険は必ずある
ということであって、どこまでなら自分として
我慢できるかという、それだけのことでしかありません。



そして今、質問して下さったように、日本の国は放射能のがれきを全国にばら撒いて、
そこから出てくる焼却灰等を全国で埋め捨てにしてしまおうということをしているのです。
それはまったく正しくないやり方です。元々、がれきが何で問題になるかというと放射能で
汚れているからと言うんです。
ではその放射能というのは何だったのかと言えば、東京電力福島第1原子力発電所の
原子炉の中にあった物、あるべき物だったわけです。
東京電力の所有物なんです。それを彼らが勝手にばら撒いたんです。

でも元々東京電力の所有物なわけですから、本来であれば東京電力にお返しするという、
そういう筋の物なんですね。
ですから、すべて東京電力に返すのが私はいいと思いますし、全国にばら撒いて埋め捨
てにするなんていうことは到底やってはいけないことなのです。





原発の安全神話にマスコミはすべて乗っかっていた


小出: ただし、ですけれども、私が願っていることは人々の被曝を少なくするということで
す。そして特に子供たちの被曝を少なくするということです。
今現在、福島周辺に膨大な汚染のがれきがあって、それをこのまま放置をしてしまえば、
福島の子供を含めて、福島県の人たちが被曝をやはりしてしまうということになりますの
で、私は何とかその事態は避けたいと思っています。
ただし残念ながら、がれきが福島だけで引き受けることができる量ではありません。
ですから、汚染の強い物はできる限り福島県内で処理すべきだと思うけれども、ある程度
の物は、やはり全国で引き受けてやるしかないだろうと私は思います。
ただし、今現在ある焼却施設でそれを燃やしてしまうと、空気中に放射能をばら撒くことに
なりますので、もしがれきを全国の自治体で引き受けて燃やすというのであれば、その焼
却施設に放射能を撒き散らさないような端的に言うとフィルターなんですけれども、廃棄施
設を造らなければいけない。それを造った上で初めて引き受けるということをやるべきだと
思います。


そして焼却灰が出てくるのですけれども、その焼却灰を埋めるなんていうことはもちろんし
てはいけなくて、それはさっき聞いていただいたように東京電力の所有物なわけですから、
東京電力にお返しするのがいいと思います。どういう形で返すかというと、元々焼却施設の
焼却灰はコンクリートの母材にしたんです。これから福島第1原子力発電所は放射能を撒
き散らすことを防ぐ為に、巨大な石棺というコンクリート構造物を造って閉じ込め作業をし
なければいけませんし、地下には溶け落ちた炉心がめり込んでいっているかもしれないの
で、地下に膨大なバリアを張らなければいけない。そのためには膨大なコンクリートがいり
ますので、そのための材料に焼却灰を使う。つまり福島第1原子力発電所に返すというや
り方がいいだろうと私は思います。


亀松: はい、わかりました。では3つ目というか最後は、小出先生自身に関する質問もたく
さん来ていますので。それをいくつかお願いします。

アシスタント: それでは、圧力について埼玉県の57歳の男性です。
「3月12日の午後、FMラジオで先生が話されたことに衝撃を受けました。
しかし、それが事実であったことが次第に判明し、いつも本当のことを話されている姿勢に
感銘を受けています。でも、政府や東電などにとっては都合の悪いことも多いので、
何か圧力が掛かったり、嫌がらせをされたりするのではないかと心配しています。
実際そのようなことはありませんか」
と。


小出: 何もありません。
アシスタント: 何も?
小出: はい。
アシスタント: 怖い思いとかをなさったこととかも?
小出: はい。
アシスタント: 意外ですね。
亀松: 意外ですか。

アシスタント: 意外ですねと言っていいのかどうか・・・。
亀松: 何か不都合なことはないですか? 圧力までいかなくても・・・。
小出: 何もありません。
亀松: 何もないですか?
小出: はい。

亀松: なるほど、わかりました。では似たような質問かどうかはわかりませんが、
逆に一般の国民のほうの反応ということで質問が来ています。
「この半年間いろんなところで講演とかをされていて、一般の国民の人たちの意識の変化
というものは感じられたでしょうか」
ということです。

小出: 私は1970年から原子力発電を止めたいと思ったのです。
私がそう思った時には、日本には3機しか原子力発電所がなかった・・・。

亀松: その時にですか?

小出: 東海第1原子力発電所と敦賀(発電所)、美浜(発電所)という3機しかなかった。
それから何とか止めたいと思ってきたのですが、日本人の多くは無関心でしたし、国や
電力会社は「原子力発電所だけは絶対安全です」という宣伝を流し続けてきて、マスコミも
すべてそれに乗ってきたわけで、ほとんどの人は気が付かないまま来てしまったのです
ね。


やむを得ないことだったのかもしれないけれども、私としては大変残念だったし、今回の
事故を防げなかったのを言葉に尽くせず無念に思います。
ここまで来てしまったんだから何とか普通の人にも気が付いてほしいと思いますし、
少しずつでも気が付いてきてくれているのかなと思います。今日だって、こうやってニコニ
コ動画が私のことを流してくれて、それをどれだけの方が見てくれるのか知らないけれど
も、何がしかの情報が、今までは私が伝えきれなかった様な広がりで広がっているわけで
すから、ぜひ皆さんに気が付いてほしいと願います。

亀松: わかりました。




「廃炉は『もし』ではなく『必ず』やらなければいけない」


亀松: さっき(視聴者の)コメントでも「自分も無関心であった」というようなコメントもありま
したけど、確かにほとんどの人たちがそうだったんだろうと思うんです。
では、また1つ質問が来てます。東京都の38歳の女性からです。
「先ほどの講義、拝聴させていただきました。これから原発を減らしていくためにも、今動い
ている原子炉を安定させ、廃炉にしていく必要があるのではないか。
今後、小出先生自身として危険性を訴えるだけではなく、小出先生自身が廃炉に向けた
取り組みをされる必要があるのではないでしょうか。専門知識がある以上、専門家の責任
ではないかと思うのですがいかがでしょうか」
と。


小出: はい、もちろんですね。私は京都大学原子炉実験所というところで働いているひと
りの教員ですけれども、大学の教員というのは本来は学生を教育するのが仕事なんです
ね。でも京都大学原子炉実験所という私の職場は、学生がいないのです。
工学部とか理学部、医学部、文学部というそういう組織とは違って学生はいないのです。

亀松: 研究だけということですね。

小出: はい。研究ともう1つが学生をお守りする代わりに、原子炉のお守りをしろという
仕事があるのです。
ただ、原子炉のお守りにもいろいろな仕事があって、運転をする人もいるし、その周辺の
実験装置のお守りをする人もいるし、放射線管理をする人もいるし・・・私は実は放射性廃
物の管理の責任を負うという部署で今仕事をしています。
ですから、実験所で毎日そういう仕事をしていますし、これからもし廃炉というようなこが・・・
「もし」じゃないな、「必ず」必要になるわけですけれども。
私がやっている仕事は直接的にそれに関わっていますし、必ずやらなければいけないと
思っています。



亀松: わかりました。では最後の質問というか要望なんですけれども、今、ニコニコ動画
を見てるたくさんの人が先生のお話、このQ&Aを聞いてたわけですけれども。
このカメラに向かって見ている人たちに対して何かメッセージがありましたらお願いします。


小出: はい。いつも皆さんにお願いしていることですけれども、私は一介の原子力の場に
いる人間です。原子力の場にいるというのはかなり特殊な人間ですので、私にできること
は私がやります。
ただし、私は原子力以外のことはほとんど何も知らないし、何もできません。
歌も歌えないし、絵も描けないし、詩も書けないし、大工さんじゃないから家も建てられない
し、ほとんど何もできないという人間です。

でもすべての原子力の問題というのは原子力だけではなくて、私たちがどうやって生きて
いくか、どういう世の中を作りたいかということですので、皆さん一人一人が必ず有効にで
きることがあると思います。皆さん一人一人の個性を発揮して自分ができることをやるとい
うことをしていただければ、たぶん原子力は簡単になくなります。ぜひそうしてほしいと思い
ます。

亀松: はい。ちょっと今、コメントがここに流れてるんですけど。
アシスタント: 「かっこいいです」、「わかりました」。
小出: はい。
亀松: この「8」が今(ニコニコ動画の画面に)出てるのはパチパチパチという拍手の意味なんですけど。

小出: そうなんですか。
亀松: はい、今、こうやって出たりしてますけれども。ありがとうございます。
小出: はい。

亀松: 時間があっという間に30分を過ぎちゃって「質問が少なすぎた」というようなコメント
がさっきあったりして。
質問がたくさん来てたんですけれども読めなかった人には申しわけないと思います。
また機会がありましたら、ぜひこういうことができたらいいかなと思います。

小出: はい、ありがとうございました。
亀松: 今日は本当にありがとうございます。
小出: ありがとうございました。お世話になりました。
アシスタント: 本当にありがとうございました。
小出: ありがとうございました。


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